2009年02月19日

私にはもう、賞は何の意味もないわ15回の最多ノミネートを誇る女優メリル・ストリープ


私にはもう、賞は何の意味もないわ――。こんな冗談を彼女は言うかもしれないが、15回の最多ノミネートを誇る女優メリル・ストリープ(Meryl Streep)がオスカーの大御所であることは間違いない。

 59歳になるストリープは今回の第81回アカデミー賞(Academy Awards)では、『ダウト 〜あるカトリック学校で〜(Doubt)』で主演女優賞にノミネートされている。『ディア・ハンター(The Deer Hunter)』で初ノミネートされてから約30年。22日の授賞式で3個目のオスカー像を獲得できるだろうか。

 初の主演女優賞を狙うケイト・ウィンスレット(Kate Winslet)にとっては、ストリープは最強のライバルだ。1月に発表された映画俳優組合賞(Screen Actors Guild Awards)で主演女優賞を獲得したのはストリープだった。「私にとってもはや受賞は何の意味も持たないけれど、本当に幸せ」と、受賞スピーチで冗談を飛ばした。

 これまでのオスカー獲得で、すでに「認められた」という感覚は充分あると思いつつ、それでも22日の受賞を逃すことは辛いだろうとストリープは語る。「受賞を逃すと、私の仕事が良くなかったんだと思ってしまう。ノミネートされるだけでも名誉なことだというのはわかっている。でも、ノミネートされて受賞を逃すと、ノミネートされる前より敗北感を味わうのよ」。ストリープは先月、ABCのインタビューでこう答えた。

 ストリープは、1つ目のオスカーを1979年の『クレイマー、クレイマー(Kramer vs Kramer)』で獲得。続いて1982年の『ソフィーの選択(Sophie's Choice)』でナチスの強制収容所にいたユダヤ人女性を演じ、2つ目を手にした。

■有名になっても家族を最優先

 しかし、ストリープは有名になっても浮き足立つことはなく、4人の子どもを育てながら、自宅でできるだけ目立たぬように暮らしてきた。「名前を知られることは、いろんな場面で足かせになる。私の最優先は家族。いつだってそうしてきたし、これからもそうよ」

 ヴァッサー・カレッジ(Vassar College)とエール大学(Yale University)を卒業したストリープは、常にハリウッド(Hollywood)とメディアに対し、一定の距離を保ってきた。子どもたちの学期中には働こうとはせず、業界関係者と過ごすこともほとんどない。何年も前にロサンゼルス(Los Angeles)を離れ、プライベートについては公の場で話すことを拒否している。

■数々の作品で見せるプロ根性

 しかし、セレブとして注目されることを拒んでも、それが見事なキャリアの妨げになることはなかった。仕事となれば、まるで神業のような力を注ぎ込み、女優としての地位を築き上げた。

『ソフィーの選択』では、ポーランド語を修得し、撮影現場では地元の人びとがポーランド人だと信じるほどだった。『ミュージック・オブ・ハート(Music of the Heart)』では、8週間毎日6時間の練習でバイオリンをマスターした。『A Cry in the Dark』では、オーストラリア英語を完ぺきに身に付けた。「その役をスクリーンで完ぺきに演じきれる自信がなかったら、最初からやらない」とストリープは語る。

 そんなストリープのプロ意識に、ハリウッドの評価は分かれることもあった。ベティ・デイヴィス(Bette Davis)は、生前ストリープに送った手紙で、ストリープを米国一の女優だとたたえたが、キャサリン・ヘプバーン(Katharine Hepburn)は、ストリープを一番好きではないと言ったこともある。

■名門校で演技を学ぶ

 ストリープは1949年6月、米ニュージャージー(New Jersey)州で、製薬会社役員の父親と商業芸術家の母親のもとに生まれた。上流階級の学校に進学し、チアリーダーになり、演劇も始めた。

 ヴァッサー・カレッジでは、英語と演劇を専攻、エール大学で演劇の奨学生となった。1975年に同大学を卒業すると同年、『Trelawny of the Wells』でブロードウェイ(Broadway)デビュー。高い評価を受け、1977年に『ジュリア(Julia)』で映画デビューを飾った。

 本格的に映画女優としての階段を上り始めたのは、ウディ・アレン(Woody Allen)監督の『マンハッタン(Manhattan)』(1979年)から。その後、『ディア・ハンター』、『クレイマー、クレイマー』、『フランス軍中尉の女(The French Lieutenant's Woman)』(1981年)、『ソフィーの選択』(1982年)と次々と成功を収めた。

 さらに『シルクウッド(Silkwood)』、『愛と哀しみの果て(Out of Africa)』、『A Cry in the Dark』に出演。90年代も『ハリウッドにくちづけ(Postcards from the Edge)』、『マディソン郡の橋(The Bridges of Madison County)』、『ミュージック・オブ・ハート』と次々と出演作がヒット作を重ねた。

 21世紀に入っても、ストリープのキャリアは快進撃を続けた。2003年の『アダプテーション(Adaptation)』でアカデミー賞にノミネートされたほか、『Rendition』、『大いなる陰謀(Lions for Lambs)』の2つの政治ドラマを含む多くの作品に参加した。

 最近では『ダウト 〜あるカトリック学校で〜』と、70年代に活躍したスウェーデンのポップグループ、アバ(ABBA)の楽曲を全編に織り込んだミュージカル映画『マンマ・ミーア!(Mamma Mia!)』というタイプの違う2つの作品で、対照的な演技を披露し、その多才ぶりを見せつけている。
posted by セレブボーイ at 23:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: